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まえがき:最南端への交通アクセスについて

ふとしたことで目に入ったフェリーを利用して日本(離島除く)の最北端と最南端を巡るこちらの企画。
普通にチャレンジしても面白みがないので、
例のごとく公共交通機関縛りでのチャレンジを計画することにしました。

ちなみに最北端は訪問済み、こちらの記事で紹介しています。

しかし最南端として指定されている佐多岬というのは公共交通でのアクセスが極めて難しいとされている場所、
個人的にはSSSランクをあげてもよいくらいです。
本編に入る前に、佐多岬への公共交通アクセスの現状を触れておきます。

佐多岬への訪問手段―路線バス網

まずは佐多岬の場所から。鹿児島県大隅半島の先端にあります。
最北端の宗谷岬、最東端の納沙布岬周辺はなんだかんだ住宅であったり小規模な集落があったりしますが
佐多岬付近は人家がほとんどない秘境の地となっています。
(岬から3kmほど離れた田尻というところが最も近い集落)

© OpenStreetMap contributors

それで大隅半島の主要な路線バス網(+フェリー)ですが、2023年頃まではおおよそ以下のようになっていました。
半島東側には大きな集落はなく、既にバスは廃止済み。
根占というところが拠点でそこから大泊(佐多岬から約6km)まで行くことができました。

大泊の近くにはホテル佐多岬という宿泊施設があって実際はここが終点になっていましたが、
従業員確保が困難という理由で2023年2月末で営業終了、以降休止状態となっています。
ローカル路線バスの旅でも何度か出ている場所でその頃は1日2往復くらいあった記憶。
※佐多―ホテル佐多岬の系統と佐多―外之浦の系統がありました

© OpenStreetMap contributors

ホテルの閉業の影響があったかはわかりませんがそこからわずか半年の2023年9月末、
佐多―大泊・外之浦の区間が廃止になり路線バスは不通に。
佐多の市街地から佐多岬までは15kmほどありこれだけでもハードモード。

加えて根占―佐多間は佐多からの通学用?に1日1往復が残されたのみであり、
根占から1日で往復することができません。
根占から佐多岬は距離が2倍になって33km。こんなん無理です。
※佐多発着の系統は鹿屋まで直通で運行します。一応補足

© OpenStreetMap contributors

では佐多で1泊、、と考えたいところですが佐多の市街地に営業中とみられる旅館・ホテルはありません。
以前は昭和館という旅館がありましたがgoogle mapのクチコミによると現在は飲食のみとなっています。
※最近ゲストハウスが開業したみたいですが詳細不明。あと佐多岬のほうまで行けば民宿が2件あります。
釣り人の利用が多いらしい

そんなわけで佐多岬を公共交通機関で訪問するのは無理、というのが定説。
一応観光周遊バスというのが3月~10月に根占から運行されていて、これを利用しましょうというのが
観光協会からのアナウンスです。

南大隅佐多岬最先端 - 本土最南端...

これでもいいんですが、佐多岬の滞在時間が1時間くらいしかなくちょっと物足りない、
何か他に手順はないのか、、と調査を続けていました。

佐多岬への訪問手段―南大隅町コミュニティバス

ふとした形で見つけたのが南大隅町の広報誌。
今はマイ広報誌というサービスがあって、
サービスに登録している市町村の広報誌をバックナンバー含めwebで閲覧することができます。
※マイ広報誌で見れるのは過去1年間、南大隅町の場合はそれより前も町のHPで見れます

南大隅町のバスはgoogle mapにもnavitimeにも出てこないのでここが情報源。
見た感じ利用に事前登録等も不要で、町民限定のような記載もありません。

※諸事情でその後南大隅町に問い合わせる機会がありましたが、
公式としては地元住民向けで観光利用は想定していないという回答です。
利用拒否はされないと思いますが自己責任で。

2023年度は以下のような路線網となっていました。

© OpenStreetMap contributors

前提として佐多より南に行ける日は平日の火木金。月水と土休日は運行されません。
なので木曜に根占→佐多岬、金曜に佐多岬→根占と移動できれば勝ちじゃないか、
と思うかもしれませんが落とし穴が。

木曜は根占→佐多と佐多→田尻で運転系統が分かれていますが
根占13:00発のバスは佐多13:35着、対して佐多から出る田尻行は12:31発。
何とここで乗り継ぐことができません。
2023年度はコミュニティバスを使って佐多岬を往復することはできなかったわけです。

がっかりしていたところ2024年の広報誌には路線再編の記述が。
実証運行という形で2024年4月~9月の上半期は根占―佐多間を平日5日間運行、
1日1往復→4往復に増便されることになりました。
これで木曜の佐多乗り継ぎが可能に。実証運行だし下半期にはなくなっている可能性あり、大チャンス到来です。

© OpenStreetMap contributors

※実際は2025年9月現在まで根占―佐多間の1日4便体制は維持されています

参考

・リンデンバス ~バス停とその先に~:https://rindenbus.exblog.jp/29591602
佐多エリアの路線バス網の変遷が記事になっています。
・南大隅町:https://www.town.minamiosumi.lg.jp/
2023年度のバス情報は広報誌令和4年度3月号、2024年度は令和5年度3月号と令和6年度9月号、
2025年度は令和6年度3月号を参照

2024/07/24(水)

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この記事を書いた人

・プロフィール
東京都調布市生まれ。大学卒業まで東京で過ごしてきましたが、就職のタイミングで地方都市へ。
圧倒的車社会の環境ながら公共交通機関と電動自転車で生活。
車の維持費分を、道の駅巡りの旅費に回してやりくり…

・居住地
~2021.03 東京都調布市
2021.03~2023.02 三重県桑名市
2023.02~現在 長野県小諸市

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